VITPILEN401 ウインカー移設の注意点

みなさんこんにちは!

やんわりドクターストップがかかって最近Beat Saberをプレイできてない木庭袋ゆうです(๑•̀ㅁ•́๑)

今回、ハスクバーナ VITPILEN401 のウインカーをテールライト近傍からナンバー横に移設したのですが、思いの外手こずったので備忘録的に資料を残しておくことにします。

Twitterでもよかったんですけど、TL占拠するのも申し訳ないので…

ちなみに写真こそVITPILEN401(2021年モデル)ですが、401以下のスモールピレン兄弟はすべて同一のシャシーなので、未確認ながらSVARTPILEN125、250、401(年式問わず)についても同様だと思われます(成功例があればTwitterで教えていただけると嬉しいです)。

あ、トラブったので先に書いておきますが、純正LEDウインカーから社外LEDウインカーへの交換であったとしても

ハイフラ対策が必要です

(私はやっていないので断言できませんが、前期型の純正LEDウインカーへの交換ならハイフラにならない可能性はあります)

今回はウインカーリレー交換で解決しました。そのつもりでお読みください。


さて。

御存知の通り(?)、VITPILEN/SVARTPILENは前期型(2018-2019)と後期型(2020-)でウインカー位置が異なり、前期型ではスイングアームマウントされたナンバーステーの横、後期型ではテールライト下部に据え付けられています。

恐らく被視認性等の理由で移動したのだとは思うのですが、ピレンシリーズはデザインコンシャスなテール周りが生命線のモデル。スタイル的にもリア周りの付加物はなるべく避けたいところです。

また、最近キャンプツーリングに行くことが多くなり、サイドバッグを装備するとバッグがウインカーに干渉したり、ベルトがウインカーを隠したりする可能性もあって、それらに気を遣う煩わしさからウインカーの移設を決めました。

前期型のウインカーを流用しても良かったのですが、(安全性を損なわない範囲で)よりリア周りをすっきりさせたい思惑もあって、今回はACTIVEさんのLEDナンバーサイドウインカー ストレート(クリア)を利用することにします。派生商品のコンパクトの方ではなく、あえてこちらのクリアレンズタイプなのはフロントの純正ウインカーとデザイン的な整合性を取るため。

当然ですが、ウインカーを移設するにはウインカー用の配線をテールライト周りからナンバーステー部まで引き回す必要があります。

作業に入る前に取り回しをイメージ。

緑色が純正配線です。ナンバー灯のためのケーブルが既に1本通っているため、それに沿わせる形で新しく黄色のケーブルを這わせていきます。

うーん。この時点でめんどくさそう…( ; -᷄ ω-᷅)

純正のケーブル通りに配線すればいいのでルートについては悩む必要がないものの、ケーブルの通り道は純正の時点で既にほとんどスペース的余裕が無いため、なるべく細く、線数の少ない電線にしないといけません。純正ウインカーへの配線は左右それぞれ+12Vとアースの2本、計4本で、何も考えずに延長するなら4芯が必要となりますが、線数節約のため今回は左右の+12Vのみを2芯ケーブルに通し、アースは既にあるナンバー灯のものを利用することにします。

実際の配線作業については、基本的には純正ケーブル通りに線を通すだけなので全部説明はしません。ダイジェスト的に大変だったところだけ。今回はナンバー側からボディに向けて配線していきました。

リアフェンダーを外す時点で軽く後悔するほどめんどくさい。タイヤとフェンダーの50mmほどの隙間に六角レンチをねじ込んでいきます。

薄型ラチェットと六角のビットがあれば多少は楽。キャップボルト4本を外すとフェンダーとナンバーステーが分離できます。

「そうだ! リフトアップすればタイヤが下がって作業スペースが確保できるんじゃない?」

と一瞬思ったものの、このフェンダーステーはスイングアームに固定されているためタイヤと連動して動くんでした。あ、リアタイヤ外せばのびのび作業できますよ💕

ちょっと飛んでウインカーの結線が終わったところ。結線は概ねウインカーの説明書通りですが、抵抗接続用の白配線は不要なので絶縁、アースはナンバー灯のアース線に割り込ませています。

ウインカーに付属のセメント抵抗は接続しないでください。ウインカーが点灯しなくなります。

ウインカーからの配線をナンバー灯ハウジング内に引き入れる必要があるため、黄色丸部分をハンダごてで溶かしてケーブルホールを作りました。振動で断線する可能性があるため、グロメットつけたりビニテ巻いたり何らかのケーブル保護措置を取ることを強く推奨します。

純正ケーブルを追いながら、それに沿って新しいケーブルを這わせます。チェーンガードの上部にケーブルスペースがあります。確か車体内側からビス4本留めだったかな?

適宜純正のケーブルフックや、インシュロック(ケーブルタイ(結束バンド(タイラップ)))等を利用しながら配線を引いていきます。

うまいこと純正のウインカー付近まで来たら、ウインカー配線を切断し結線します。

コネクタギリギリで切ってしまうと戻したいときに苦労することになるので、後で再結線できる程度の長さは残して切り落としましょう。左右間違えないようにね。

結線には、水が入ってもそこまで影響のないアース線はただの閉端子、電源線は写真のような防水コネクタを使用しました。

この時点でテストのためウインカーを点灯してみると、点灯はするものの、点滅間隔が速いいわゆるハイフラ状態になっていました。

私のイメージでは、ハイフラは「白熱電球からLEDに変えた場合発生するもの」で、LED同士の交換で起こるとは全く考えていなかったのですが、よく考えてみると本来ハイフラは「灯火の抵抗値が変動したらランプ切れと見なしてドライバーに教える」ためのものですので、灯火がLEDかどうかには直接関係ありません。

純正ウインカーを見てみると、消費電力は定格13.5V2.2W。一方で今回交換したウインカーは(明記されていないのでコンパクトタイプのものと同等と考えると)13.5V3.4W。抵抗値を計算すると単体でそれぞれ83Ωと54Ωくらい? 実際には前後のウインカーが並列回路でしょうから…まぁ暇な人は計算してみてください。

とにかく、対処法自体は白熱球→LEDのハイフラの時と変わりありません。LEDに適切な抵抗を繋ぐか、消費電力の対応範囲の広いウインカーリレーに交換するかです。

…ウインカーリレー変えましょう。だって抵抗の計算は面倒ですから🤪

ウインカーリレーは3ピンでLED対応のものであればほぼ何でも使えると思います。今回はデイトナさんのものを使いました。

ただ、非常に重要な点が一つ。

ピレンの純正ウインカーリレーは一般的なものとコネクタのピンアサインが違います

たちが悪いことにコネクタの形状自体は同一のため、パッと見はポン付け可能っぽくても実際には動作しません。動作させるにはピンの差し替えが必要となります。

この記事はあくまで一例であり、この記事通りにすればOKとは考えないでください。必ずリレーの説明書を確認し、テスター等で確認しながら作業してください。

まぁ配線を間違えてもヒューズが飛ぶ程度だとは思いますが…

デイトナさんのウインカーリレー側コネクタです。この商品はボディアースを取るタイプなので、コネクタには2本だけが結線されています。ロック機構を下にして左から1、2、3番ピンとすると、1番が電源線、2番がウインカーへの出力線です(1枚目の写真では裏表逆なので注意)。

(もしコネクタのピンが3本とも結線されているタイプなら、わざわざピンを入れ替えずともリレーの平端子の方を差し替えても良い…というかそっちの方が楽です)

一方、ピレンの純正ウインカーリレーは1番ピンがウインカー出力、2番ピンがアース、3番ピンが電源となっています。

バイク側かリレー側、どちらのピン配置を変えても良いのですが、元のリレーに戻す時の手間と作業性を考え、今回はリレー側コネクタのピンを差し替えます。

上の写真が変更前、下がピン配置変更後です。上の写真が分かりやすいですが、ピンには抜け止めのための「かえし」がついているので、この「かえし」を精密ドライバー等で押さえながら写真奥側にピンを引き抜きます(結構硬いので、まち針のような細いものより精密ドライバーみたいな剛性のあるものの方が適しています)。

無事ピンが抜けたら、ピレンのピンアサインに合った穴にピンを差し込めばカチッと勝手に固定されます。

ピレンのウインカーリレーはステム裏にあります。ボルト2本を外して黄色で丸をしているカバーを取り外すと、

ウインカーリレーにアクセスできます。タンクカバーを外す必要はありません。

加工したコネクタを接続すると、1枚目の写真のようになります。リレーから伸びるアース線は、適当な場所にボディアースとして接続します。私の場合は2枚目写真のここに共締めしました。

デイトナさんのウインカーリレーは、特に何も加工せずとも純正リレーがあった位置へ固定可能でした。助かりますね~

以上で、交換したウインカーが問題なく動作するはずです。


素敵なデザインのバイクなので、なるべくスタイルを崩さず純正然とした雰囲気にしたいところですが、裏から見なければそこそこまとまって見えるのではないでしょうか。

同じピレン乗りの方の一助になれば幸いです。